• 鍋にワイン 味の出あいを楽しむ (1999/02/01)

 立春とはいっても二月は一番冷え込む時期と聞く。寒い夜の夕飯となれば鍋料理。材料さえ用意しておけば主婦も一緒に食べられるし、魚介や肉、豆腐に野菜もそろって栄養バランスもよく、もてなし献立ではいつも上位に入っている。

鍋には 熱燗が常識だったが、以外とワインがよく合う。鮭やジャガイモ、タマネギと道産の材料をみそ味で煮込む石狩なべには、辛口の白ワイン・ミュスカデやシャブリが合う。脂肪がのった鮭とまったりしたみその甘さを、きっぱりとした酸味で洗い流してくれる。

豪快にぶつ切りにした殻つきのカニを酒をたっぷり加えた昆布だしでさっと煮て、ポン酢じょうゆで味わうカニちりには、華やかな香りとかすかな甘みがあるロゼのシャンパンがいい。軽い白ワインも合う。道産のワインもバラエティーに富んでいるから、試してみるとよい。

白ワインもシャンパンも冷やして飲むのは常識だが、白ワインの甘口は6〜8度、辛口は8〜10度、シャンパンは6度以下に冷やす。 6〜8度はビールと同じ程度にということで、冷蔵庫で5〜6時間が目安。急ぐときはワインクーラーに氷と水を入れた中につけて30分ほどおけば飲みごろになる。もちろん、栓を抜いたあとも冷やしておく。

赤ワインは常温でといわれるが、ワイン保蔵庫は15度くらいなので、暖房のきいた部屋では要注意。赤も軽口の場合は辛口の白ワインと同じくらいに冷やした味が、私は好きだ。

軽口の赤ワインは牛しゃぶに合うし、すき焼きにはイタリアやスペイン、チリの赤ワインが合う。飲むだけでなく、煮汁に加えると肉が柔らかくなるし、味にコクも出る。まずは、安いワインでいろいろ試して、味の出あいを楽しみたい。

(岸朝子)