20世紀最後の年を迎えるにあたり、いろいろなイベントが企画されている。
ソムリエ世界一の田崎真也さんの「クリスタル2000年記念ボトルで2000年を祝う会」に私も発起人の一人として参加することになった。これはシャンパーニュのルイ・ロデール社のシャンパンで2000年の元旦を2000人の人で祝おうという壮大な企画である。収益金は恵まれない子どもたちへ寄付するというチャリティーだ。このほか私が好きなランソンやポメリーなどのシャンパンも2000年ボトルを企画しているようだ。
シャンパンと私のつき合いは、まだ20数年でワインよりは浅い。祝宴の最初に乾杯する程度であったが、20年前にパリでフランス政府から料理大使を任命されて世界中を飛び回っていた名調理人のレイモンド・オリヴェさんのお宅にうかがったとき、フリュート型のグラスで冷えたシャンパンをすすめられた。お茶やコーヒーの代わりにシャンパンでもてなすなんて「おしゃれ」と感心したものだ。
ワインブームとともに日本でもシャンパンでフランス料理の全コースを味わう人も出てきたし、日本料理店でもシャンパンを置いてある店が増えて私も勉強になった。20年前には珍しかったフリュート型のグラスもいまでは主流。シュワシュワとたちのぼる泡が、黄金色のシャンパンをいっそう華やいで見せる。
ここでひとこと。シャンパンと呼べるものはフランスのシャンパーニュ地方でとれたブドウを用い、シャンパーニュ方式で造られたものに限られる。その他はフランスではヴァンムスー、イタリアではスプマンテ、ドイツではジャウヴァイン、スペインではエスプモーソと呼ぶ。総括してスパーリングワイン、発泡性ワインである。
(岸朝子) |