• 焼酎の効用 (2000/03/13)

千葉県幕張で先日、フーデックス・ジャパン国際食品・飲料展が開かれ、本格焼酎と本場泡盛のブースで、私は「酒の肴と健康的な酒の飲み方」といった講演をした。

今年で25回になるフーデックスにはホテルやレストランをはじめ飲食関係の人が多く集まり、出展する国の数も多くなった。ハムやチーズを試食しながら世界の酒を試飲して、日本酒のブースにたどり着くまでには相当できあがっている人もいる。日本酒造組合中央会のブースの一角には焼酎と泡盛が数百種も並び、利き酒コーナーもあった。

さて、ここで「本格焼酎を飲むと、血液がサラサラになる」というすてきな話を聞くことができた。講師は倉敷芸術科学大学の須貝洋行教授で医学博士。

血液には、血液を固まらせる凝固因子と、固まった血液を溶かす線溶因子があり、バランスを保って血液の流れを健常に維持している。このバランスが崩れ、血液が固まると血栓ができ、心筋梗塞や脳梗塞であれよという間に生命を失うといった悲劇を招く。

線溶因子は、血管の内皮細胞から分泌されるウロキナーゼと呼ぶ特殊な酵素で、本格焼酎にはこのウロキナーゼを活性化させる働きがあるということだ。アルコール量にして30〜60mlの酒を飲ませて血液から血栓溶解酵素を分離して、その量と活性を測定した結果、酒を飲まないグループは478単位に対し、本格焼酎派は1160単位と圧倒的に高率であった。日本酒やワイン、ウイスキーにも効果は見られるという。

「酒は百薬の長」が立証され、晩酌を欠かさない私にとってはうれしい話だった。とはいっても量にはご用心。アルコールで30mlといえば、30度の焼酎で100cc、お湯割りにしてコップ1杯ちょっとと考えたい。

(岸朝子)