▲長芋かんあわび酒入り


本店は高台寺の裏手にある大きな割烹旅館ですが、
こちらは若い人も気楽に入れる
カウンター席とテーブル席の店です。
ご主人の村田さんは日本料理研究会のメンバーとともに
パリに遠征し、懐石料理を披露した意欲満々の料理人。
つねに新しいものを取り入れて楽しませてくれます。
写真の“長芋かん”もそのひとつ。
透き通った寒天の中に、
みじん切りにした生の長芋が入っていて、
細雪のような美しさです。
ゼラチンも入っているので舌ざわりがやさしく、
しゃりっとした長芋の歯ごたえがアクセントになり、
夏にぴったりの涼しげな一品。
食欲がないときでも箸がのびます。
ご家庭で作るときは、
長芋を加えるタイミングに注意してください。
寒天液にとろみがついたところに加えないと、
長芋が分離してしまいます。
それさえ気をつければ、とくにむずかしいことはありません。
お店ではぜいたくにあわびを添えていますが、
家庭でなら、あわびはなくても、たとえばガラスの器を冷やし、
長芋かんにかけづゆをかけ、
冷たいものは冷たいうちに出せば、それだけでごちそうです。
ご主人が若いこともあってかこの店の料理はパワーがあり、
先日もオーストリアからの客を案内してたいへん喜ばれました。
目の前で調理するカウンター形式が特に気にいったようです。
わたくしが、この店に通うようになったのは15年前。
店は建てかえられてから、
露庵と呼ぶ茶室もできましたが、味に変わりはありません。

 木屋町露庵菊乃井 

京都府京都市下京区木屋町通四条下ル齋藤町118 TEL 075-361-5580
営業時間 12:00〜13:30(L.O.) 17:00〜20:30(L.O.) 水曜休
コース 昼\4,000 \7,000 \10,000 夜\13,000 \15,000 \18,000