▲ 鴨のロースト シシリア島の |
|||||
ジビエ(野生の鳥獣)には甘いソースがよく合いますが、 この料理はその手本といってもよいでしょう。 鴨の産地として有名なフランス・シャラン産の幼鴨に、 蜂蜜を塗ってオーブンで焼き、 オレンジのさわやかな香りに包んで仕上げます。 手をつけるのが惜しいような盛りつけで、 口に入れれば甘くジューシーな味が広がります。 清水シェフは『料理の鉄人』で、 牛サーロイン肉を岩塩包みのオーブン焼きにする ダイナミックな腕前を披露してくれましたが、 あくまで素材の持ち味を生かす繊細な腕はすばらしいものです。 特筆すべきはガルニチュール(つけ合わせの野菜)の おいしさです。 クルジェット(ズッキーニ)に囲まれたじゃが芋のピューレは、 練り絹のようで夢のようになめらかな舌ざわりです。 サラダも凝っています。ふつうは鴨がメイン料理なら、 同じ素材をほかには使わないものですが、 そこが清水さんの芸の細かいところ。 鴨の皮をカリッと焼いて余分な脂を除き、 みごとにサラダに仕立てています。 お店で、リズナブルな値段でコースを楽しめるのも、 料理作りに熱心な清水さんの心意気でしょう。 |
|||||
ラ・トゥーエル 東京都新宿区神楽坂6-8 TEL 03-3267-2120 |
|||||