▲もずく雑炊/かに雑炊 |
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若狭出身の先代、田村平治さんと出会ったのは、 わたくしが料理記者として初めて手がけた 『日本料理の基礎』(主婦の友社刊)という本の仕事をしたとき。 以来40年以上の長いおつきあいです。 先代の料理は「五味調和」が信条で、 これは料理ばかりでなくご本人の生きざまにも 通じるところがあるとか。 五味とは甘鹹酸苦辛で、 それぞれ甘味、塩味、酸味、苦味、辛味をさします。 この精神は“食感を大切にする”という心がけとともに、 二代目、三代目にも受け継がれています。 宴会料理のあとでも食べやすいご飯をと、 先代が考案したのが“もずく雑炊”。 さらりと炊きあげた雑炊に、とろとろとしたもずくと くずあんをかけた味はいくらでもいただけます。 お酒を飲んだあとに、 するするっと入るのどごしのよさがたまらず、 ピリリと味をひきしめるわさびと、 彩りも鮮やかなイクラが添えられ、 食事をしめくくるまさに絶妙の味です。 |
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