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食べて健康長寿  新世紀を味わうために

2001年1月7日(日) 共同通信社配信

 戦争と革命と貧困の20世紀はめざましい 科学、技術の進歩の世紀でもあった。私たちはあふれる情報の渦に巻き込まれ、押し流されるような日々を送ってきたが、21世紀はもう少し、のんびり、ゆったり暮らしたいと私は考えている。

 一日中、ぼんやりと海を眺めたり、各駅停車の電車の旅で日本の自然の美しさを味わったりと夢を抱いているが、あれもこれも健康であってかなえられることだ。

 21世紀は少子高齢化社会の到来とマスコミは暗い話ばかり報道するが、高齢者が健康で元気であればそんな心配は不要。生来楽天家の私は活力がある社会にしたいと思っている。

 現に、日本は世界一の長寿国。加えて自分のことは自分でできる、つまり自立して天寿を全うするという健康寿命も世界一と、すばらしい実績を持つ。

 元気な年寄りは目障りなどという人もいるであろうが、ぜひ老人を活用してほしいと思う私も、じつは満77歳。れっきとした高齢者であるが、自分が年寄りだと思うことは少ない。私と同年代はもちろん、80歳、90歳で現役の先輩も大勢おられる。

私は東京生まれの東京育ちであるが、両親は沖縄の出身。長寿の遺伝子を持っているのかもしれない。

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(イラスト 阿部早子)

 日本一の長寿県である沖縄の高齢者にとって「70歳、80歳は働き盛り」。沖縄県の中でも長寿者が多い大宜味村の照屋林三村長は、長寿の秘けつを「自給自足で自然の恵みを食べている。100歳過ぎたオバアでも生きている限りは現役だと思っている。70歳、80歳でも子どもたちの扶養家族になるなんて考えていない」と語っている。

 コンビニエンスストアもなく、土地に育つ野菜や芋、目の前に広がる海の幸、魚介や海草などを食べ、飽食とはかけ離れた食生活と年寄りを大切にする沖縄の県民性が大きく影響しているようだ。

 私自身の食生活は料理記者という仕事柄、外食が多い。しかし、からだに必要な栄養素を含む食品は必要なだけとり、エネルギー源つまりカロリーと食塩、動物性脂肪はとり過ぎないように心がけている。4年ほど前から血圧が高くなり、降圧剤を服用しているが、ほかは健康そのもの。

 「おいしく食べて健康長寿」を心がけ、明日を夢見て暮らしている。

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