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バランス食の勧め

2001年1月20日(土) 共同通信社配信

 昨年3月、政府は日本人の理想的な食生活を目指す「食生活指針」を発表した。ご存知のように高血圧、心臓病、肝臓病、糖尿病、がんなどのいわゆる生活習慣病は、悪い習慣が積み重なって生まれる。その多くは沈黙の病気といってよく、痛くもかゆくもなく静かに進行する。

 ある日、会社の健診で中性脂肪やコレステロール、血糖値の高いことが指摘されて病院に行けばいいほうで、そのままほっておいて倒れてしまう例も多い。こうした病気にならないためには、悪い習慣を改善すること、一次予防が大切である。

 悪い習慣とは、たばこの吸い過ぎ、酒の飲み過ぎ、運動不足、睡眠不足、ストレスの多い生活などであるが、最も重要なのは、食生活である。一番問題なのがエネルギー、つまりカロリーオーバーによる肥満で、高血圧や心臓病、糖尿病の原因になる。

  お金さえ出せば食べたいものがいつでも食べられる時代である。マグロのすしは赤身よりトロがおいしいし、ステーキやとんかつもヒレよりロースがうま味があるのはいうまでもなく、好きに食べていれば太るのは当たり前だ。

 一方で家事は電化され、自動車通勤は増え、地下鉄の昇降もエスカレーターとなると、運動量は昔に比較して、激減している。摂取エネルギーが消費エネルギーを上回れば、あまったエネルギーは脂肪となってからだに蓄積されるのは当然のことだ。肥満は糖尿病の誘因ともなる。

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(イラスト 阿部早子)

  40歳代の10人に1人は糖尿病といわれ、いまや日本での国民病にもなりかねない糖尿病の予防のためには、食生活指針の中でもいわれているように「適正体重を知り、日々の活動に見合った食事を」という注意が必要となる。昔から「ベルトの穴がひとつ増えると1年寿命が縮む」といわれる。 自分のことは自分でできる自立した「健康寿命」を全うするには「なにをどれだけ食べたらよいか」という食べ方を知って、実践することだ。

 私が実践しているのは、女子栄養大学創立者の香川綾さん考案「四つの食品群」をバランスよくとること。卵と牛乳、魚と肉、大豆製品、緑黄色野菜を含む野菜と芋、果物をきちんととり、ご飯やめん、パンなどの穀物は欠かさず食べる。

 しかし、食べ過ぎないことを肝に銘じ、健康長寿でありたいと思っている。

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