健康長寿の人生を全うするうえで、毎日なにをどれだけ食べたらよいか。私が心がけている「四つの食品群」を紹介していこう。
今回紹介するのは、まず優先する第一群の牛乳と乳製品と卵のグループ。ここには命を育てる栄養素がそろっているからだ。量は牛乳なら約300ミリリットル、卵なら1個。
私は朝、愛用のモーニングカップ1杯の牛乳を飲む。卵は毎日1個とはいかないが、すし屋のつまみに卵焼きを切ってもらったり、オムライスを食べたりと1週間で5、6個を食べる。
牛乳は良質タンパク質やビタミンA、Dなども含むが、なによりもカルシウム源として重要。骨粗しょう症を防ぎ、若さを保つために欠かせない。さらに成長促進栄養素として知られるビタミンB2。第二次世界大戦後、日本の子どもたちの体位が目覚ましく伸びたのは、学校給食で牛乳を飲むようになったからといわれる。肌を美しく保つ効用もある。
戦前生まれの人たちは牛乳を飲む習慣がなく、毛嫌いする人が多い。牛乳の代わりにチーズやヨーグルトでもいいし、脱脂粉乳をコーヒーや紅茶、みそ汁などに加えてもよい。卵は朝食のみそ汁に1個割り入れれば簡単。具が多くなるぶん、汁の量が減って減塩にも役立つ。
作家の吉川英治が子ども時代の思い出として「母が1個の卵をほぐし、5人の子どもに食べさせてくれた」といった意のことを書いたエッセーを読んで感心したことがある。たとえ5人で分けようとも、卵は米に不足する必須(ひっす)アミノ酸を補って栄養価が倍増するからだ。
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