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命を育てる牛乳と卵  わが家の定番料理

2001年1月29日(月) 共同通信社配信

 健康長寿の人生を全うするうえで、毎日なにをどれだけ食べたらよいか。私が心がけている「四つの食品群」を紹介していこう。

 今回紹介するのは、まず優先する第一群の牛乳と乳製品と卵のグループ。ここには命を育てる栄養素がそろっているからだ。量は牛乳なら約300ミリリットル、卵なら1個。

 私は朝、愛用のモーニングカップ1杯の牛乳を飲む。卵は毎日1個とはいかないが、すし屋のつまみに卵焼きを切ってもらったり、オムライスを食べたりと1週間で5、6個を食べる。

 牛乳は良質タンパク質やビタミンA、Dなども含むが、なによりもカルシウム源として重要。骨粗しょう症を防ぎ、若さを保つために欠かせない。さらに成長促進栄養素として知られるビタミンB2。第二次世界大戦後、日本の子どもたちの体位が目覚ましく伸びたのは、学校給食で牛乳を飲むようになったからといわれる。肌を美しく保つ効用もある。

 戦前生まれの人たちは牛乳を飲む習慣がなく、毛嫌いする人が多い。牛乳の代わりにチーズやヨーグルトでもいいし、脱脂粉乳をコーヒーや紅茶、みそ汁などに加えてもよい。卵は朝食のみそ汁に1個割り入れれば簡単。具が多くなるぶん、汁の量が減って減塩にも役立つ。

 作家の吉川英治が子ども時代の思い出として「母が1個の卵をほぐし、5人の子どもに食べさせてくれた」といった意のことを書いたエッセーを読んで感心したことがある。たとえ5人で分けようとも、卵は米に不足する必須(ひっす)アミノ酸を補って栄養価が倍増するからだ。

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(イラスト 阿部早子)

 わが家で人気の卵料理は「おじいちゃま焼き」。

 卵1個を茶わんかカップに割り入れ、はしでざっとかき混ぜる。ぬれたはしの先を塩の容器に突っ込み、もう一度卵を混ぜて油少々を熱したフライパンに入れ、大きくかき混ぜて焼き上げる。1分もかからない。やきたてにしょうゆ2、3滴をたらして食べる。私の父が好んだのでこの名がある。不思議とはしの先についた少量の塩で味が決まる。

 もう1品は甘辛卵。卵1個に砂糖としょうゆ各小さじ1の割で混ぜ、油を熱したフライパンで焼く。そのままでもよいが、3、4個まとめて焼いたら熱いうちにふきんかラップに包んで棒状に形づけ、冷ましてから切り分ける。これはわが家のお弁当のおかずの定番になっている。

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