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ご飯の効用  重要なエネルギー源

2001年3月1日(木) 共同通信社配信

 日本人の食生活の乱れなどを憂えて政府が昨年3月に発表した「食生活指針」は「主食、主菜、副菜を基本に食事のバランスをとること」を訴え、ついで「ご飯などの穀類をしっかりと」と注文をつけている。

 主菜と副菜は健康長寿をかなえる四つの食品群でいえば、第二群の魚、肉、豆腐のタンパク質源と、第三群の野菜、芋、果物のビタミン、ミネラル源に当たり、いずれもおかずと考えればよい。

 さて主食は第四群のスター、日本人の主食としてなくてはならない米と大麦、小麦などの穀類を指す。つまりご飯、パン、めんなどで、いずれも糖質(炭水化物)が主な成分でエネルギー源として重要である。

 糖質は自動車にたとえれば、ガソリンの役割を担う。心臓が絶え間なく拍動して血液を体内のすみずみまで送る仕事も、肺が呼吸という作業で新鮮な酸素を体内に送り届ける一方で不要となった二酸化炭素を吐き出す仕事も、すべてエネルギー源は食事によって補われる。

心臓も肺も私たちが寝ている間に休みなく働く。また、体温を正常に保つエネルギー源も同様である。極端な表現になるが、ガソリンがきれると車が止まるのと同様、エネルギー源の糖質がなくなれば一巻の終わり。生命活動は止まり、血液中のブドウ糖が少なくなれば「おなかがすいたよ!」という合図が送られるようになっている。

 そこでなにはともあれ、主食は大切なエネルギー源であるが、同時にタンパク質の補給源にもなっている。特に米は小麦に比較して質のよいタンパク質を含むため、米によって日本人は命をつないできたともいえる。

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(イラスト 阿部早子)

  人間の体内では生産されず食品に頼るしかないタンパク質を構成するアミノ酸を必須(ひっす)アミノ酸と呼ぶが、このアミノ酸のバランスが欧米人の主食となる小麦粉と比較して米は優れている。そのうえ、不足しているアミノ酸をみそや豆腐、納豆などの大豆製品で補ってきたのが、私たち祖先の知恵である。

 第二次世界大戦後に、牛乳、卵、肉などの良質タンパク質が加わって不足していた必須アミノ酸を補ったため、小さかった日本人も大きくたくましく育ってきた。

 しかし、一方で動物性脂肪の取り過ぎなどの問題が起きてきている。これを防ぐためにも、ご飯の効用がいま見直されてきているようだ。

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