多くの人たちがダイエットを志向する時代、砂糖や油脂は敬遠されがちだが、米などの穀類と同様に、人間の命の炎を燃やす重要なエネルギー源である。
砂糖は即効薬のように、すぐエネルギーになる。大掃除や引っ越しなどで働いたあとに甘いお菓子とお茶が疲れをいやすのも、砂糖の効果だ。料理の味つけにも必要であるが、とり過ぎればエネルギーオーバーした分、中性脂肪としておなかの周りにつきやすい。
栄養素の中で糖質やタンパク質は1グラムが4キロカロリーのエネルギーとなるが、油脂はその倍以上の9キロカロリーで、コンパクトなエネルギー源である。困ったことに脂肪が多いものはおいしい。マグロにしても赤身よりトロ、大トロがおいしいし、ビフテキやトンカツはヒレよりもロースのほうがおいしい。
その昔、日本人は脂ものを食べる習慣がなく、マグロは赤身を尊重し、トロはアラ並みの扱いで値段も安かったという。同じ脂肪でもマグロなどの魚の場合は、動脈硬化を防ぐ不飽和脂肪酸が多いのでよいが、肉の脂肪は動脈硬化を促進するものとして用心したい。
また、サラダオイルやごま油などの植物性の油は不飽和脂肪酸が多く、私たちの体内で作ることができない必須(ひっす)脂肪酸の補給源であるから、一日に小さじ4杯は必要とされる。油脂はビタミンA源となるカロチンの吸収率を高めるためにも必要である。 |